冬祭り

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お兄さんは 私の提案を無視するかのごとく 微笑んだ。 ……二度と笑えなくしてやるぞ。 遊叉が危ないことを考えながら ミートボールにフォークを突き刺すと お兄さんが口を開いた。 「ちなみに、原田ナポリタンとは ミートボールが入ったナポリタンの事なんです。」 「ミートボール?」 なんで それが 原田ナポリタンなんだ? ただのナポリタンでいいじゃないか。 「うちのナポリタンには ミートボールは入ってないんです。」 ……………ん? まだ若そうなのに もう視力低下してるのか? ただのボケか? 実は私の顔 見えないんじゃないか? そう思った私は 顔を上に上げ目玉だけ お兄さんに向けてみた。 ホラー映画のごとく 陰気なオーラを出して。 そしたら お兄さんは言い表せないような 表情で物凄く引いていた。 ……別に 何かツッコミを待っていたわけではない。 でも、何だ この敗北感。
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