冬祭り

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すると 電話の向こうで "ゆぅぅさぁぁぁッ"と 走る足音と遠くから声が響いた。 "うわ…"と思いながら待っていると ガサガサッと音がなり父が出た。 『ゆさゆさゆさ遊叉!!!』 「"ゆさ"多いな。 久しぶり、お父さん。 」 『何で郁間に連絡いれても 遊叉でないのーっ』 知らないし。 『"久しぶり"のレベルじゃない 放置期間だったよー(泣)!?』 めんどくさいな。 『蓮華君に 遊叉の情報聞いてなかったら 学校まで乗り込んでたんだからねー!?』 もう、切ってしまお―……… は? 「蓮華君がなんだって?」 『だからっ蓮華君に情ほ―…… ひゃッ;;!!!』 "ひゃッ"じゃねぇよ(怒) 何してくれてんすか アノ爽やか笑顔。 てか何故 父 遊を知ってるのだ。 『れっれれれ、蓮華君はね 昔パーティーで、お兄さんが来ていて、遊叉を女の子だって知っていて、いろいろ協力してくれていて、それで』 「日本語かどうかもワカラナイ。」 『後半片言だよ;!?』 まあ、理由はどうでもいい。 そもそも 爽先輩と父 遊の関係もどうだっていい。 TCの他に 友達できて良かったですね 爽先輩。 まだ騒がしい父に "25日、冬祭り、来たれ" と伝え電話を切った。 切るさい "時代劇!?" やら "冷たくない(泣)!?" やら 聞こえたが シカトした。 「……遊すごく喜んでなかった?」 私が差し出す携帯を受取りながら ふわりとした笑顔を浮かべ 聞いてくる理事長。 父 遊よ 私は冷たいのではない。 私も久しぶりに お父さんの声が聞けて 嬉しかったし 久しぶりに心が晴れた。 「…………年末は帰るんで。」 理事長に言ったからって しかたがないのに 一応 伝えてみた。 そしたら理事長は すごく嬉しそうに笑って "きっとすごく喜ぶ" "僕も一緒に行くよ"と言った。 ……………………フッ 後者はうざいな。
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