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入ってきて黒板の真ん中の前に立ち、出席簿を台の上に置き、椅子に座っている生徒達を一度見て、出席簿を開き出席を取って、教室を出ていった。
ちゃんと彰も先生から来る前に教室に入っていて、椅子に素早く座っていたので遅刻にはならなかった。
先生が出ていくと、教室は生徒達の声で賑わっていく。
その中、澪と小夜子も喋り始める。
「澪、私ね昨日テレビでsecretの歌を聞いていたんだ。物凄く良かったよ~。何であんな綺麗な声を出せるんだろう?」
この歌手の話になると小夜子は止まらなくなり、四時間も語る。
それを毎回聞いている澪も凄いと言えよう。ずっと黙っていて、ただ小夜子の話に耳を傾けるだけ。
普通なら退屈になり、あくびをしたり、違うところに目線が行っているなどで、真剣に聞こうと思うのは澪か小夜子と同じファンの人達だけだ。
「さぁ~な。確かに綺麗な声だな」
珍しく小夜子の長い話に参加した。どういった心境なのかは分からないが、たまには参加しようと思っただけかもしれない。
小夜子は、珍しく自分の話に参加してくれた澪に驚いていた。
「私の長々とした話に参加するなんて、珍しい事もあるもんだねぇ~」
珍しい物を見るかのような目で、話しかけられてムッと怒りを覚えたりしたが、楽しそうに話す小夜子を見て、澪も嬉しくなっていき、怒りが消えていった。
「たまには小夜子の話に参加して見ようかなと思ってな」
「ふぅ~ん、そうなんだ。よし! 参加するならとことん付き合ってもらうよ~」
少し恥ずかしそうに話す澪を見て、くすりと笑い小夜子は、ウキウキしながらまた話し始めた。
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