―第一章―

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昨日、母親に聞いた事を二人に教えると苦笑いをする。 彰は、「あいつらしいな」、と言って、澪は、何も言わずはぁ~っと溜め息つく。 三人は、それから由宇の駄目な所を上げていく。 由宇の噂を流している同時間、由宇というと、母親と一緒にデパートの六階のぬいぐるみが沢山置かれている玩具とゲームコーナーにいた。 「くしゅん! 誰か僕の噂でもしてるのかな? まぁ~噂をしているのは女の子達なんだろうけど」 由宇の全くの勘違いなのに、へっへっへと大笑いをしている。そんな姿を見た由宇の母親は…… 「由宇は由宇は可愛い過ぎるもの! 確実に女の子達が噂をしているわ。嬉しいわ……母親の私にとって」 由宇の母親も勘違いをしていた。考える事が一緒な所は親子だなと思わせてくれる。いや、ただの痛い人達と言った方が正しいだろう。 さっきまでは由宇が一人で笑っていたが、今度は二人してへっへっへと大笑いをし始める。他のお客さんから迷惑がられている事に気付かず笑い続ける。 場所が代わり学校へと移る。今は、三時間目の国語総合の時間。 教室は、授業中にも関わらず賑わっていた。
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