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中編
篝と家に帰り、ソファーで手を繋ながらのんびり金魚鉢に入れた2匹のデメキンを眺めていた。
篝はキスしてから俺と目を合わせてくれない。怒ってはいない、ただ恥ずかしがっているだけだと思う。
耳まで真っ赤にしている篝を眺め心地良く感じるのは気のせいではない、どちらかと言うと舞い上がっているかもしれない。
篝の思考を俺だけが独占している気分になって、すごく嬉しくさえ感じてしまうのは篝に惚れ込んでいるせいだとも思う。
だから俺は篝と今も繋いでいる手をぎゅっと握り返したりする。
その度に篝も手を握り返してくるから自ずと気持ちが伝わってくるような気がする。
「篝」
名前を呼ぶと真っ赤な顔をこちらに向けて首を傾げる。男がこんな事をして可愛いと感じてしまうのは篝だからだろう。
篝を抱きしめつつ押し倒す。
下になった篝は俺をじっと見つめて来る。俺は篝の頬に手を添え唇に自分の唇を重ねた。
「篝知ってる?デメキンって雄しかいないんだよ」
篝side→
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