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『母様。父様。』
瑞紀はいつもの用に由紀子と剣乃助の床で共にしようと2人の寝室を訪ねた。
しかし、そこには誰も居らず、代わりに先日張り替えたばかりの畳のうえにドロリとしたものが道を作っていた。
『…母様…?父様…?』
その道は瑞紀も見覚えがあった、一月、二月前にご乱心となってしまったお侍さんに切られてしまった男の傷口から出てた。
『…か、母様!!父様!』
嫌な予感に震える足に小さな拳をたたき付け、小さな体には広いと感じる家を走った。
道を追って走る。緊張と恐怖に視界は霞むが何度も拭い生臭い道を走る。
ただ信じたかった、愛する肉親の血で出来た道ではないと。
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