第一章

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< 朝 > < 彰の部屋 > < パチッ > < ガバッ > 彰(しょう)は珍しく目覚まし時計が鳴る前に起きた。 彼は起きて直ぐに右腕をマッサージする。 彰:「…よし!今日は大丈夫だな!」 彰は上機嫌だった。 彼の腕はいつからか分からないが、不規則に痛みだす。 それは彼の両親は知っている。彰は三人家族だった。両親は彼が起きた時には既に居ない。 彰:「~♪」 彰は身支度を済ませ、用意された朝食を食べると、荷物にお気に入りの団扇を入れて、少し早めの登校をすることにした。 これが彰の運命を変える事になるとは本人はまだ知らない。 < 外 > < ピーチチチチチ… > 朝早くの囀(さえず)りには雑音がなく、心地が良い。彰は彼等のコーラスに耳を傾(かたむ)けながら歩いていた。 < 学校の校門 > 校門を通ると目の前には運動場が広がる。 彰の学校には周りの学校と比べて、立派な時計塔がある。時計塔は校門から正面にある下駄箱の真上の屋上にあった。 彰:「…ん?」 彰は時間帯から見て、全学年で彼が1番のりのはずだった。 ふと、学校の象徴(シンボル)でもある時計塔の真横に誰かが立っていた。 下からのシルエットでは男子生徒ではなかった。 それを見た彰は鞄(かばん)を小脇に抱えて、五階建ての校舎を一気に駆け上がった。 彰:「っ、くそったれがーっっ!命は無駄にすんなーっっ!!」 彰:「うぉおおおおおおっ!!!!!」 < … > < 屋上 > < バターンッ > 彰:「ゼハーッゼハーッ」 ?:「!?」 彰は肩で息をしながら時計塔の真横を見た。 そこにはあの人影は居ない。 そして彼が戸惑っていると空から声がした。 ?:「…貴方は…確か…団扇(うちわ)の…」 彰:「?!」 彰はバッと上を見上げると、時計塔の頂上に立つ、転入生のリターシャが立っていた。 彼は流暢(りゅうちょう)な日本語よりも、彼女のスカートが下からの風でちょっと下着が見えそうなのに、ドキリとした。 彰:「な…あんたは…」 彰は彼女が自分を知っているのに驚いた。彼は『リターシャを知らなかった』。 彰はリターシャを見つめていると、彼女はスッと彼から向き直り、地上に向き直った。 彰:「!!?」 彰はリターシャが飛び降り自殺を謀(はか)ろうとしているように見えた。彼は慌てて荷物を近くに投げた。image=181692228.jpg
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