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すると、
僕の気持ちとは裏腹に、優は僕の前髪をかきわけた。
(久しぶりの、優の感触…)
久しぶり、と言っても
よくよく考えてみれば数日。
そのたった数日でも、なんだか長く感じてしまう。
「………亮太、」
そうして暫く経ってから、優は呟くように僕に話かけてくる。
………寝たふりをしてる僕に。
「亮は、僕のこと嫌い?」
(………えっ?)
思わず足に力を入れてしまう。
「最近、って言っても数日か。
亮は会いに来なくなったね。
それもどうやら、こうやって嘘ついてまで、部屋に篭るだなんて……
翔のこともあったからね。
亮は傷つけたくないんだ。
本当だったら……」
そこまで優が話した時、僕は思わず目を開けた。
だって、なんか、
優の声が泣きそう。
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