D 君と僕の原点

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~優視点~ 「ななちゃん、今日はどう?」 「あっ先輩! ごめんなさーい、先約がいるんだぁー… あっ、明日なら…」 「ほんとに? じゃー明日よろしくね」 「こちらこそっ」 中一の頃は、純粋に楽しんでた学校生活も、中二のはじめに、僕の世界が変わった。 それは、いいようもない快楽が齎す、薬みたいにやめられないコト。 ──キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン♪ 「ななちゃん、行こっか」 「はいっ、」 今日の相手は、中三の先輩。 女がいないこの学園で、初体験なんかまっとうに女相手に始める人は少ない。 そしてしかも、僕みたいに華奢な男は、彼らの餌となる。 「キス、していい?」 「もちろん」 震える唇は、何度か僕のそれに短く当てられ、次第に絡み付くように舌をはわす。 決してうまいわけではない。 けど、僕らはそれで満足だ。
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