E 花火大会

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そもそもそんな情報に疎い俺が、なぜそんなものの存在を知ったか。 そんなこと、わかりきってる。 今まで"意識しなかった"モノを "意識している"    自分がいるからだ。 京哉と俺は、毎年夏には家に帰る。 鷹岡学園は全寮制だし、なかなか親には会えないからこんときくらいね。 多分、高校生になったら違うんだろうけど。 「あら、いっくん来てたの、」 「あ、お邪魔してます」 「母さんお帰りー」 なんとなくわかってるかもしれないけど、俺は今、京の家にお邪魔している。 今のは丁度、京のお母さんが帰ってきたのだ。 京とは家族付き合いの幼なじみだから、 おばさんも俺が勝手に部屋に上がり込んでいようと、さして気にしない。 寧ろ、ウェルカムだ。
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