E 花火大会

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「行こ、待ちくたびれた」 「だから、ごめんってば。」 京哉の一言で二人はようやく祭に向かって、人混みの中を歩いた。 目に写るのは、 たくさんのカップル。 否、それは一瞬で。 いつきの視界には、必ず京哉がいる。 (俺、なんかやばいな…‥) ちょっと前まで、ただの"幼なじみ"として大切な友達だったのに。 特別な感情抜きでは、もう。 考えられない。 「なんか祭って甘いもんばっかなんだよなー」 「たしかに。」 「ワタガシ、りんご飴、水飴、チョコバナナ、………あー甘い甘い」 「あっ!焼きそばとか並んでるぞ!」 「あ、ほんとだ。」 「よし、俺を待たせた罰としてあそこのタコ焼き奢れ」 「はいはい…」 そんなやりとりも"嬉しい""楽しい"と感じる俺は、病気か? 「タコ焼きくださーい あ、辛子マヨネーズめちゃくちゃいっぱいかけてください」
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