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「ちょ、何この量!!」
「奢ったんだから文句言わずに食え!」
こんな何でもないやりとりが、今の自分には丁度よくて。
いつまでも隣に京が居てほしい。
それくらい、
思ったって自由だろう?
「おっ、花火始まるらしーぞ、」
「行くか!」
「もちろん」
「何年ぶりかなー花火」
「さぁ……」
真っ黒な空には、
真っ赤な花が咲いた。
空は一瞬輝いて、
次の瞬間には何事もなかったかのように、ただ黒を映す。
なぁ、京。
俺らはどれだけの瞬間(じかん)、
一緒に過ごせるのかな。
俺にとって、
京との時間はまるで一瞬。
気がついたら、お別れの時間。
まるで暗闇に咲く一瞬の花火のように、
君との時間は過ぎていく。
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