F 思い込みの8人目

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~達也視点~ 「あのー……すいません…」 細く、儚い声が聞こえた。 「あのっ!、えっと、…そのぉ…」 声通りの容姿。 声通りの性格のようだ。 あの綾上といい勝負じゃないか? そんなことを考えていると、目の前の男は達也の両手をぎゅっと掴んだ。 「………えっ!!?」 いきなりの展開に、目を見開く。 「ほ、保坂君に! い、ぃ言いたいことが、ある!!!!」 そう言う男の少し離れた後ろの方には応援団らしい二三人の野次馬がいた。 ファンクラブみたいな奴か? てか、この子……なに? 見た目的には、いつもキャーキャー五月蠅い軍団の中に居てもおかしくないが。 翔と付き合いだしてからも、こういうアプローチはなくなってはいない。 複雑な気分だ。 俺が翔一筋ってのがわからないのだろうか。
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