F 思い込みの8人目

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「誰だっけなーあいつ。見たことあるんだけどなー… ───あ、柳井(ヤナイ)。そう、柳井だ、柳井。」 「柳井?」 「うん柳井。 今時珍しいな、わざわざ宣戦布告ですか。面白い。」 「『面白い』じゃねーよ!    え、何?え、宣戦布告? 『翔は奪い取るぜ!』的な? ───ってことは、あっ!!」 (あいつ、翔のところにっ!!) そこに思考が辿り着くと、達也は翔の教室に向かおうと勢いよく席を立った。 慌てて京哉が達也の右腕を掴んだ。 もうすぐHRが始まるのだ。 今は担任待ちの少しの休憩時間。 「ちょ、っ、達也待て!HRあるだろ!」 「知るかっ!」 「冷静になれよ、俺らがHRあるのと同じく、会長さんのクラスも柳井んとこもHR始まるってば。 そしたら、いくら柳井だって行けねーだろ?な? 生徒会が問題起こすな、」 「………チッ、」 嫌でも目立つ二人のやりとりを見ていたクラスメートは、感嘆の溜め息をはいた。 ((あの保坂を止められるのはこのクラスじゃ篠田くらいだ))
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