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「誰だっけなーあいつ。見たことあるんだけどなー…
───あ、柳井(ヤナイ)。そう、柳井だ、柳井。」
「柳井?」
「うん柳井。
今時珍しいな、わざわざ宣戦布告ですか。面白い。」
「『面白い』じゃねーよ!
え、何?え、宣戦布告?
『翔は奪い取るぜ!』的な?
───ってことは、あっ!!」
(あいつ、翔のところにっ!!)
そこに思考が辿り着くと、達也は翔の教室に向かおうと勢いよく席を立った。
慌てて京哉が達也の右腕を掴んだ。
もうすぐHRが始まるのだ。
今は担任待ちの少しの休憩時間。
「ちょ、っ、達也待て!HRあるだろ!」
「知るかっ!」
「冷静になれよ、俺らがHRあるのと同じく、会長さんのクラスも柳井んとこもHR始まるってば。
そしたら、いくら柳井だって行けねーだろ?な?
生徒会が問題起こすな、」
「………チッ、」
嫌でも目立つ二人のやりとりを見ていたクラスメートは、感嘆の溜め息をはいた。
((あの保坂を止められるのはこのクラスじゃ篠田くらいだ))
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