第二章

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< ある民家 > ?:「行ってきまーす!」 莉也(れいや)と同じ年頃の若い女が元気よく玄関から飛び出す。 彼女の名は『坂城美穂(サカキ・ミホ)』。高校生3年生だった。 髪は黒く、瞳も黒かった。髪型は肩まである髪を二つ結びにし、眼鏡をかけていた。そして服装はセーラー服だった。上は白く、スカートは紺色だった。 美穂(みほ)は普通の顔立ちをしていた。莉也のように『綺麗』という部類には入らなかった。 美穂:「お~く~れ~る~っ」 美穂は朝が弱く、いつも学校にはギリギリに到着していた。 < ……………… > < 学校 > < ガラッ > 美穂:「セーフっ!、ぷはーっ」 美穂は両手両足を開き、勢いよく扉を開け放って教室に入る。 女子①:「あ、美穂だ」 女子②:「おー!今日もギリギリだね…えっと…予鈴5秒前、4…3…2…1」 < キーンコーンカーンコーン > 美穂:「やったね!高校生活、3年間、無遅刻無欠席!」 < グッ > そういって美穂はガッツポーズをする。 そこに気まずそうに先に来ていた担任の先生が声をかける。 担任:「坂城…予鈴の時に椅子に座ってないと意味がないぞ?」 < バッ > 美穂は担任の先生を見る。 < グッ > 美穂は彼に親指を立ててから言う。 美穂:「教室ルール、最高!」 担任:「あのなぁ…。…まぁいい、席につけ」 クラスメート達:「あははははははっ!」 クラスメート達の声が教室に響く。 彼女は廊下側の1番後ろに座る。 < チラリ > クラスメート達が笑う中、一人だけ笑わない男が居た。 その男こそ、莉也だった。 莉也の席は窓際の1番後ろ。彼は彼女の視線に気付いてチラリと美穂を見た。 莉也と美穂は視線が合う。 莉也:「……………」 美穂:「!!!!!」 < バッ > 美穂がわざとらしく顔を逸(そ)らす。 莉也:「?」 莉也は特に気にすることなく、担任の先生の話に耳を傾けるのだった。
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