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< 体育の時間 >
男子は外で野球、女子は外でドッジボール。
< カキィーン >
男子①:「臣(じん)、そっち行ったぜー!」
莉也:「わかった」
< たたたたたた… >
莉也(れいや)は外野手だった。高々と上がった球を彼は追う。
< キラッ >
球は、太陽に反射してから見にくかった。
< ぽと >
せっかくのアウトになるチャンスが駄目になる。
男子②:「あーっ!じーん~…お前なぁ…」
莉也は特に悪びれる事もなく、近くにいた男子③に投げる。
男子③:「気にすんなよ、臣」
莉也:「…特に気にしてない。…逆光で打ち上げるなんて…」
男子③は苦笑する。
男子③:「まぁまぁ…でもさ、追い付いただけでも良しとしないと!」
< バンバン >
そういってから男子③は莉也の背中を叩く。
莉也は小さなため息を吐きながら持ち場に戻る。
そんな彼を遠くから見つめる女子が居た。
< ドッジボール >
< じぃー… >
美穂は野球の球を取り損なった莉也を見つめていた。
< ひゅう~ >
そのため、美穂は自分に向かってボールが飛んできていることに気付かなかった。
女子①:「美穂っ!!」
美穂:「ぇ?」
< ぱっ >
美穂が女子①の声に反応して振り返る。すると目の前にはボールが。
< べしっ >
それは彼女の口に当たる。
美穂:「ぅぶふぅっ」
女子達:「きゃぁぁっ」
女子①:「美穂っ」
< トントト… >
ボールがバウンドする。
莉也/男子達:「!?」
女子達の悲鳴に、試合を中断させる。
美穂の周りには女子達が群がっている。
女子①:「美穂…大丈夫?!」
美穂:「あいたたた…」
女子が投げたボールだったので、口がヒリヒリする程度で済んだ。彼女のかけていた眼鏡には傷一つなかった。
美穂は恥ずかしそうに口を摩(さす)り、後頭部に頭を押さえながら照れ笑いをしていた。
美穂:「…あはは…『また』やっちゃった」
女子達は心配しながらも笑っていた。
女子①:「も~…心配するこっちの身にもなってよね…」
女子①がそういって肩を落とす。
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