🍀始まりの矢🍀

『誓いの墓標』（弥勒＋蛇骨）〓最終回ネタばれ注意〓

「ーーー七人塚？
あぁ、あの古びた祠のことかい？
それならこの道をまっすぐ行って
大きな杉の木の所で左に曲がるんじゃ。
そしてそのつきあたりを右に行って峠を越えればいい。」
「そうですか、ありがとうございます。」
道を教えてくれた老人に法師がおじぎをする。
「しかし法師様、あの祠で何用か？」
その道に向かおうとする法師に老人は尋ねる。
法師は錫杖をシャランと鳴らして振り向いた。
「えぇ…あの祠に祀られた者と縁がありましてね。
墓参りがてら挨拶に伺いました。」
「はぁ…？」
それだけ言うと法師は立ち去った。
後に残された老人は首をかしげた。
「はて、あの祠に眠る者は確か２０年ほど前に亡くなった筈じゃが…。」
老人は知らなかった。
その当時遠方に出掛けていた故
祠に眠る者達が死人として甦ったことを…。
そして、その者達が法師と死闘を交えたことを…。
そう、あの闘いからもう３年が経とうとしていた。