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その後、食事を終えた二人はまたカインの自室へと歩いていた。
だが、廊下を歩くにつれ、カインの顔にだんだんと曇りが見え始める。
「あ~あ……学園行きたくないな……」
「行かなくてもよろしいかと」
「えっ!?」
いつもなら控え目にだが、学園に行くように説得するカグヤだった。
が、今日は違い、それに対しカインは驚いたのだろう。
「カイン様はすでに高等部卒業ほどの学力はありますので支障はないと思いますよ」
正直なところカインは学園に行きたくはなかった。
簡単に言うと、落ちこぼれと馬鹿にされるからだ。
「あまりその人を甘やかさないでくれるかしら?」
その時、カイン達の背後から、かわいらしい声だが冷たさの篭る声が聞こえた。
カイン達が振り返ると、金色の髪はカグヤと同じ長さ、前で分け目を作っており、目はどことなくシャインに似ている少女が立っていた。
「カグヤ!聞いてるの?」
「……はい」
金髪の美少女が腰に手を当てながらカインには見向きもせず、カグヤに怒りをぶつけている。
その姿を、廊下にある銀色の騎士を模った鎧が、無機質に眺めていた。
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