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カインはロッカールームへ移動し、自身の灰色のロッカーに手をかけた。
「いーよな、すぐ帰れるやつは」
シンと静まったロッカールームに一つの声が聞こえる。
カインは声がした方を横目で見る、そこにはうすら笑いを浮かべたギルがいた。
「……冷やかしですか?」
「いーや、激励」
今のどこが激励だと言いたくなるが、カインはグッと堪えた。
「高等部二年にして、魔武器はなしか……カッコイイじゃねーか」
魔武器、自分の魔力を糧にし、特殊な鉱石を武器にすること。
高等部一年で制作するため、ほぼ全員が所持している。
なお、魔武器は呼び出し可能で何もないところからも武器が召喚される。
「お前も魔武器作りゃいーのに。そんなありえないぐらいの魔力持ってんだからよ」
「嫌ですよ……変なの出たら嫌ですし」
カインは一年の魔武器製作の時間、馬鹿にされ、それ以来作ろうとはしていない。
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