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「でもまっ、魔武器なし、魔法なしで相手に勝つ!すげーと思わねーか?」
ギルはロッカーに寄り掛かりながら、ニヤニヤしてカインに言う。
「……そんな簡単なことじゃないですよ」
カインは長年魔法なしの辛さを知っている、だからこそギルみたいに楽観はできない。
「まーな、そりゃ簡単じゃねーよ!だから、面白いんだろ?…………決めた!俺も試合、それでやるわ!」
「……それはどういう意味ですか?同情ですか?」
「は?何言ってんの?」
ギルは呆れ気味に一つため息を吐いた。
「言っただろ?面白いからだよ。それに、勝てる奴が戦えるのは当たり前、負ける奴が戦い続ける事のがよっぽどすげー事だと思わねーか?」
「何が言いたいんですか?」
「お前はすげー奴だし強いってことだよ」
ギルはまた笑顔で話しかける。
カインは初めて言われた強いという言葉を聞き、胸の鼓動が早くなるのを感じた。
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