学園

15/16

109795人が本棚に入れています
本棚に追加
/680ページ
「でもまっ、魔武器なし、魔法なしで相手に勝つ!すげーと思わねーか?」 ギルはロッカーに寄り掛かりながら、ニヤニヤしてカインに言う。 「……そんな簡単なことじゃないですよ」 カインは長年魔法なしの辛さを知っている、だからこそギルみたいに楽観はできない。 「まーな、そりゃ簡単じゃねーよ!だから、面白いんだろ?…………決めた!俺も試合、それでやるわ!」 「……それはどういう意味ですか?同情ですか?」 「は?何言ってんの?」 ギルは呆れ気味に一つため息を吐いた。 「言っただろ?面白いからだよ。それに、勝てる奴が戦えるのは当たり前、負ける奴が戦い続ける事のがよっぽどすげー事だと思わねーか?」 「何が言いたいんですか?」 「お前はすげー奴だし強いってことだよ」 ギルはまた笑顔で話しかける。 カインは初めて言われた強いという言葉を聞き、胸の鼓動が早くなるのを感じた。
/680ページ

最初のコメントを投稿しよう!

109795人が本棚に入れています
本棚に追加