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「まずいよな……」
目をそっと開いたカインはそう呟いた。
まったく水属性対策、もとい今まで通り、魔法への対策ができないのである。
カインは近距離でしか戦えない、それ故、距離をとられてしまうと手も足もでなくなる。
「ふふっ……」
しかし、この状況でカインは笑った。
ギルの言葉が頭の中で広がる。
(相手をぶっ倒せ……か)
「特攻だな!!」
カインは、立ち上がり巨剣を掴むと上から下、下から横と剣を振る。
その剣から耳で聞いてとれるほどの凄まじい音を奏でる。
「よしっ、行くか!!」
カインは剣を担ぎながら校庭の中心へと足を進めた。
元々特攻しか選択肢はなかった。
だが、その姿は、魔法ができないからどうせ勝てないと、半ば投げやりになっていた今までの彼の姿ではない。
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