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「……もう、行け」
シャインは静かに怒りを込めながら言った。
鍛え上げられた肩と金色の短い髪を揺らしながら。
「はい……失礼します……でも少しだけでいいのです。カイン様の気持ち、どうか考えてあげてください」
カグヤは一度シャインに頭を下げると、足早に書斎から出て行った。
シャインは何も言わず、カグヤを見送る。
「あれの気持ち……か。なら私の、私達の気持ちはどうなると言うのだ?」
シャインは両手で頭を抑え、呟いた。
そして、その呟きは誰にも聞こえない。
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