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そして、翌日。
カインは、いつもより遅目に目を覚ます。
「ふぁぁ……あ」
背伸びを一つ、カインの頭が覚醒するよりも早く部屋のドアがノックされる。
「はい……いつもタイミングいいよな……」
「おはようございます」
「あ、ああ。おはよう」
カインの呟きは何事もなかったかのようにサラリと流される。
「今日は起きるのが少し遅かったようですがお体に何かありましたか?」
「今日は学園が休みだからな。それに……」
「それに?」
カグヤの目が光る。
瞬間、カグヤの説教が長くて寝不足という言葉を飲み込んだ。
「まあ、いいや……今日は休みだしもう少し寝たいんだけど、いいだろ?」
「寝るのは構いませんが、朝食は摂られてください」
「物凄く眠いんだけど……」
「リリお嬢様が食堂で大騒ぎしておりますので」
「はぁ……行くよ……」
カインは目を擦りながらベッドを降りると、食堂へと向かって行った。
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