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「……なるほど……こういうやり方もあるのか……」
カグヤ達のやり取りも知らないカインは、図書室で本棚に囲まれながら勉強をしていた。
光の魔法書と表紙に書かれている古ぼけた本から真新しい本まで、ところ狭しと机に並べ、一つ一つを読み比べている。
「でも、やっぱりこっちの方がいいのかな……どうなんだろ……」
カインは、決して勉強も手を抜かない。
その所以は、家柄にある。
ギルアーク家
国内で知らない人はいないであろう、光の大貴族である。
太陽を象徴とし、闇である魔を率先して払う者。
そして、その貴族の長男であるカインは次期当主となる……予定だ。
その次期当主が魔法が使えないなど、許されるわけがなかった。
父親、妹から冷たく当たられているのはカイン自身わかりきっていた。
努力を見苦しいとも無駄であるとも言われたこともあった。
それでも、彼が努力を止めることはなかった。
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