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「いや、わかるんだ」
フラウールは、顔を伏せ、ふて腐れているエリザリーネに微笑みながらそう言った。
「弱いことを嫌わず、努力すれば強くなれるチャンスがたくさんあるということを最近教えてもらったんだ」
フラウールはカインを横目で見ると、微笑む。
「強く在ろうとすることは構わない、だが、人を卑下することで自分が強くなるわけではない。ましてや、他人の限界を勝手に決めないことだ」
「…………」
「エリ、これからはたくさん鏡を見ることだな、そうすれば、きっと私より強くなれるぞ？」
「か、鏡ですか？……私はあまり好きではありません……」
「私もだ。だがな、鏡は映りが良かったり、悪かったりするだろ？そして、人は悪い方を決して認めようとはしない、それどころか、映りのいい自分を探す。全部映されているのは同じ自分なはずなのにな……強さも似たようなものだ。動きの良かった自分ばかり覚えていて、粗だらけの自分を認めようとしない、弱さを認めることも強さの一つってことだ」
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