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「弱さを認めろだなんて……あくまで強さだけを求めていた姉様の言葉とは思えません……」
「そうだな」
「そうだな、ではありません!!私は姉様だけを目標にしておりました、その目標がフラフラされては困るのは私です!!」
エリザリーネはフラウールを睨みつける。
「……私は姉様だけを……」
エリザリーネは視線を外すと、クラスの天井を見上げる。
その姿は、涙を堪えているように見えた。
しばし、教室が静かになる。
「わかりました」
沈黙を破ったのは、エリザリーネだった。
「私は、昔の姉様を追いかけることにします。私は弱き者を認めるわけにはいかないのです」
昔の、を強調しながらエリザリーネは言う。
「ふっ」
しかし、フラウールはそれを嘲笑う。
挑発ともとれる笑みをエリザリーネに向ける。
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