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二人は紙を見つめていたが、カインが一枚の紙を取る。
「先生、オレこれにします」
カインが持っている紙は、アルビート洞窟見回りの紙である。
アルビート洞窟はその名の通り、アルビートに縁ある洞窟だ。
この依頼は定期的に依頼される一つである。
「そ、そうか?もっと別なのもあるが……」
なぜか、残念そうにフラウールは呟く。
「これ失敗したことないんです。他のに比べると近いですし」
「そうか?別なのも……いいと思うが……」
「いいですって、じゃ行ってきますね」
カインは教室からでていった。
フラウールはまたその背中を見つめる。
「がんばれ、カイン……ただ……なぜ、なぜこの依頼に見向きもしないんだ!!」
フラウールは同伴Bランク以上と書かれた紙を持ちながら一人、震えていた。
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