プロローグ ~始まりは唐突~

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「……ヒマだな」 去年の夏休み、キッカケはこの俺の発言……。 高校に入学してから初めての長期休暇。 俺こと『如月 聆(りょう)』 は、夏休み開始早々に課題を全て終えて、友達とエンジョイしていた。 その日は、友達と海へ行ってきた。 楽しい時間が終わり、家に辿り着いた途端に暇人へと降格。 何故かって? する事が無さすぎるからだ。 炊事洗濯など、母さんの手伝い全般は全て妹がしてるし、親父は毎日わしゃわしゃと懸命に風呂掃除をしている……。 そう、学校では新入生にして風紀副委員長を務める優等生は、家ではまさしくプー太郎。 悲しい状況を再確認して、思わず口から出てしまったのが先程のセリフ。 まさかこの一言が、後の俺の人生に多大なる影響を及ぼそうとは、この時は全く思ってはいなかった……。
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