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「え?!あ、あの…手紙なんでしょうがないですよっ。海外からじゃ届くのは遅れるし…」
突然頭を下げられ驚く麻子は、だから謝らないで下さいと自分も思い切り頭を下げた。
そんな様子を見た結城は整った顔を崩しクスリと笑った。
「‥え?」
麻子は顔を上げ、どうしたのかと結城を伺う。
「失礼いたしました。お嬢様はお優しい方ですね。これなら、白鳥家の方たちに気に入られますよ」
優しく笑う結城に麻子は見とれて固まるが、すぐに現実に戻り
「あ、あの‥実はまだ引越しの準備出来ていないので…」
また後日にと言いかける前に結城が制した。
「お嬢様は軽く荷物をまとめるだけでよろしいですよ。後は我々がやりますので」
「え?そ、そんな事頼めませんよ!」
「どうか気にしないで下さい。荷物をまとめたら呼んで下さいね。私は下で待っていますから」
そういうと結城は下に降りて行った。
「あ、ちょっ…‥行っちゃったよぉ;」
仕方ない、結城さんていう人を待たせる訳にもいかず、言う通りにしてみるしかないなと麻子は溜息をつき、荷物をまとめた。
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