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「どちらさま‥ですか?」
(誰だろ‥この人)
その青年は背が高く長い黒髪を一つに束ねていて整った顔立ちだった。
(かっこいい…)
麻子が見とれていると、その青年はニコリと微笑んで
「古橋麻子様でいらっしゃいますね?私、白鳥家執事を務めさせて頂いている、結城と申します。お嬢様のお迎えに上がらせていただきました。」
「…えっ、お、お嬢様?迎え‥?」
結城という人の言葉に我に返り、聞き慣れない言葉に動揺する。
「みどり奥様からの手紙はもう読まれましたか?」
(みどり…奥様ぁ…?)
「みどりって…お母さん?…………あ!貴方、白鳥家の使用人さんですか?」
おそるおそる聞いてみると
「はい。手紙を読まれていたようで、安心しました。」
ニコリと微笑む結城。それと逆に麻子は顔を蒼白させた。
「うそっもうお迎えの日なの?!今さっき読んだばかりなのに…」
「え?…そうでしたか…。やはり事前に連絡を入れるべきでした。そうとは知らず、申し訳ございません」
結城は驚いた顔から申し訳なさそうに頭を下げる。
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