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「見た所顔は良いし、もってこいだな。俺がコイツに飽きるまで死刑にはならないんだからコイツも喜びますよきっと。」 天皇は緩んだ口が戻らないまま、煙草をくわえて最後の一服を終えた。 まだ少し長めの煙草を灰皿にぐりぐりと押し付けて、満足気なため息をひとつこぼした。 全く、末恐ろしい人だ。 と、眞鍋は恐縮しきっていた。 何故こんな長い間死刑を反対されながらも続けてこれたのか分かったような気がするな… 眞鍋は剃り残しの髭をジョリジョリと撫でながら、次のページをめくった。 「コイツか…」 思わず眞鍋はうなった。 『上野 龍夜 16歳 男』 「やはり、ウエノタツヤはリスト入りしていましたか。」 独り言のように眞鍋が言うと。 「当たり前でしょう。」 と、高らかに笑いながら天皇が答えた。
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