長靴をはいた猫

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    ヒュウヒュウと切れるような音を立てて、風が吹き抜ける。 青年は抱え込んだ膝に顔を埋めて耐えていた。 残り短くなったロウソクの火が、 ジジジとかすかに唸る。 何十年という年月、一日も休むことなく繰り返されてきた粉ひき作業が途絶えて、 今日で三日が経っていた。      
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