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「今………一体何が起きたんだ? 交錯して………」
現状を把握する為に………ゼウスは恐る恐るその眼を開いた。
眼を開くとそこにはゼウスの360度周囲を真っ白な世界が包んでいた。
場所も先程とは違う、それよりゼウスが気にかかっていた事は不思議なオーラで充満されたこの空間。
「間一髪………間に合ったようじゃの………」
不意に耳に伝わった声の主はジルバだった。
どこからともなく聞こえるジルバの声に反応したゼウスは必死に周囲を見渡すが、どこにもジルバの姿はなかった。
当初の様子と明らかに変わってきているゼウスを嘲笑するような笑い声が真っ白な空間に響いた。
「ほっほっほ………、妖精の持つ空間というのをご存知かの? 」
ジルバの言葉を聞くなり、ゼウスは何かに堪えているのか………顔を下に向けその体を震わせた。
不審に感じたジルバが口を開こうとした、正にその瞬間ゼウスはゆっくりと顔を上げた。
「くっくっく………、ジルバ………貴方は本当に楽しませてくれる方だ、武者震いとはこの事を言うのですかね………」
ゼウスは小刻みに震えている自らの両手を見つめていた。
ジルバはゼウスの言葉を聞くなり、溜め息混じりの声を出した。
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