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こうして管理人『リコ』のいないチャットの履歴だけが毎日作られていく。
俺は住人たちもう此処に『リコ』が来ることがないことと、妹が作ったこのサイトを閉鎖することを伝えなければならない。
残された兄の義務としてやらなければならない。
俺は早速、自分は『リコ』の代理の者であることと、サイトの閉鎖の通知、 そして住人たちの感謝の言葉を打った。
後はこれを書き込むだけ。
しかし、俺はそこであることを思いついてしまった。 住人たちはお互いのことは現実には何も知らない。『顔』も『声』も! 相手がわかるのはハンドルネームと書き込まれた文『だけ』
もし『俺』が『リコ』を名乗ってサイトを更新し、チャットに書き込めば『この世界』だけでも妹が生きていることにならないだろうか!?
俺は決めた。
妹は此処で生き返ったのだ。 いや、この世界では最初から死んですらいなかったのだ!!
人を騙すのはよくない。 それは十分に理解している。 が、俺はどうしても妹が創ったこの世界を終わらせたくは無かった。
俺は今日から此処では『リコ』として生きていく。
そう強く誓った。
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