2章

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「何、あれ……?」 「皮剥ぎだよ。お前も俺の真似してみろ。」 そう言って永斗は早速、近くの牛の元へ近寄る。 鎌を入れたのを見て、敦志は本格的に気分が悪くなった。 「オレには出来ない。」 「甘ったれんな、やるしかねえんだよ。」 無理矢理手を掴まれ、そのまま敦志の手の中にあった鎌から何か感触を感じた。 「……っ………」 そのまま敦志は手を離し、川で吐く。 「おいおい、大丈夫かよ?」 背中をさすってくれる彼の手さえも穢れている気がして、敦志はもう一度胃の中のものを吐き出した。 「落ち着いたか?」 しばらく川のほとりで呆けていた敦志に永斗が近付く。 「来んな!」 「何で?」 「……死体なんか、オレには無理だから。」 はあ、と息をつくと、永斗は構わず敦志に近付く。 「良いか、これが俺らの仕事なんだ。」 「……無理だって。」 「非人手下くらったてめえを恨みな。」 本当はいつだって、ずっとずっと恨んで。 それでも自分は違うって。 ―――そんなことはなかったのに。 .
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