4章

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「柊之のおっちゃん、永斗だけど」 「お、敦志もいんじゃん。まあ入れや」 永斗に引っ張られて来たのは、昨日がっぽがぽよと握りこぶしを見せてきた男の家だった。 「狭いとこですまんな。座るもんもねーけど、とりあえず座れや」 「ありがとさん」 「ありがとうございます」 どかっと座り、くつろぐ永斗と対照的に、敦志は背筋を伸ばし、身構える。 何の意図があってここに連れてこられたのか、まったく見当もつかなかった。 「ときに、おっちゃん。こいつのことで相談があるんだけど。」 ぐいと視線を向けられてもなお、何を言われているのか分からない。 ――いや、仕事とか言ってたな 「こいつ、死んだ馬とか駄目なわけ」 何の話かさっぱりというところは、柊之も同じらしい。 「おまけに、同心にゃ踏み倒される始末」 それでもまだ、ぽかんとした面下げている二人を一旦見やり、軽くため息をつく。 そして、静かに呟く。 「俺がこれから言うことは、他言無用に願いたい」 「お、おう」 永斗の威圧感に圧されつつ、慌てて頷く柊之を確認し、口を開く。 「こいつは、武家のもんだ。」 .
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