24人が本棚に入れています
本棚に追加
「敦志はマサと会った事なかったっけかな?」
「あ、……はい」
口論を始めた永斗とマサという男の間に立っていた柊之が、ふと敦志に気付いて話しかけてくる。
「おいお前らうるさいぞ。永斗もきちんと説明してやれ」
「げ、めんどくせ。マサさんよろしくな」
急に話をふられ、軽く苛立ちを覚えるマサだったが、実のところ三人の会話は隣の部屋で聞いていたし、話の全貌が掴めているのも確かだった。
「二人とも外してくれや」
「よっしゃ!永斗、裏行くぞ。俺の仕事も手伝ってもらうとするか」
「いや、おっちゃん俺のもって……。俺のは手伝ってくれたことねーじゃん!」
「やいのやいの言わず着いてくりゃ良いんだっつの」
「んな、横柄なー!!」
ぎゃんぎゃん喚く声が聞こえていたが、それも遠くへ消えていった。
「厄介払いが出来たな。ったく、うるせーうるせー」
「そ、そうですね……」
まったく知らない(しかも怖そうな)人に、どう答えて良いのか分からず、居心地が悪くなる。
「んなかしこまるなって。ちと話があるだけだからな」
.
最初のコメントを投稿しよう!