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「おーい敦志!帰ったかーっ?」
狭い道の奥の方から顔を覗かせた少年もまた叫んでいる。
その声に気づき、足を止めるのもまた少年。
「帰ったからここにいんだろうよ。」
「金分けろやーっ!」
敦志と呼ばれた少年は、再び表情を曇らせたが、気を取り直してもう一人の少年に言い返す。
「もらえんかった。」
「何だってー?」
「だから、もらえんかったって!」
それっきり黙る二人の少年を見かねた先程の男が割り込んでくる。
「そんな顔すんなって。敦志も永斗もこれからなんだから。」
ほら行け、という風に背中を押された敦志は渋々歩き出す。
永斗の傍まで来た時、ふと振り返って男に一言言ってみる。
「柊之のおっちゃんも頑張ってね。」
「俺はいつでもがっぽがぽよ。」
握りこぶしを見せる柊之に今日初めての笑顔を見せると、そのまま永斗を伴い家屋の中へ入っていった。
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