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「永ちゃん、由貴さんが探してたよ。」
「母さんが?」
入り口から少し顔を覗かせ、声をかけてきた女性を見やり、永斗は言葉を返す。
「どこで?」
「川のところ。手伝ってほしいんだと思うよ。」
「分かった、ありがとう。」
ひらひらと手を振ると、その女性はどこかへ駆けて行く。
「誰?」
「母さんちの隣の長瀬さん。」
よっこらせ、と腰を上げつつ永斗は近くに置いてあった桶やら刃物やらを持てるだけ持ち、出て行こうとする。
「何やってんの?」
敦志の不思議そうな顔を振り向きざまに見て、良いことを思いついたとばかりに口角をあげ、永斗はにやりと笑う。
「来いよ。俺らの天職見せてやる。」
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