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男と根本的に考え方が相容れないことに気づいたらしい店員は、嘆息する。
「……それで、結局なんの用なんですか」
面倒そうに言った。男は相変わらず人好きのする笑みを崩さない。
「俺も今からそこの少年の説教につきあいますよ」
「はぁ? ふざけるのもいい加減にしてもらえませんか? あなたの口出しする問題じゃないんです」
ついに店員は強く眉根を寄せ、苛々した様子で吐き捨てる。
それ程男の提案には突拍子が無かった。
しかし男は余裕の表情を一切歪めない。
むしろますますおかしそうに、悪戯好きの子供の顔でポケットに手を突っ込んでいる。
「いやぁ、でも俺ねぇ」
「なんですか、気持ち悪い。俺達もう行きますよ」
「そういうわけにもいかないんですよね。俺って非常に優秀な公務員なんで」
男の言葉を無視してその場を離れようとした店員が、足をとめた。
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