暗転、そして急転

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      だがもしも、もしもあの少女が将来、今日自分が受けた高校と同じ場所を受験し、合格したならば。       自分の想像に龍野はぞくりと身を震わせた。血の気が引く。       将来彼女が自分のくぐりたかった校門をくぐり、 座りたかった席につき、 受けたかった授業を受けているところを想像すると吐き気がした。       はらわたが煮えくり返るという言葉は比喩だが、龍野の体は本当に煮えているのではないかと思わせるくらいに、熱い。       だがその熱さとは反対な冷ややかな意見が頭の底に浮かび上がる。 それはかろうじて残った唯一の理性だった。     冷めた口調で、あの少女は関係ないだろうとあっさり切り捨ててくる。       自分の想像に対する焼け付きそうな嫉妬と、凍り付きそうなほど冷静な意見。       どちらも自分が生み出したものだというのに、龍野は今それらを完全に持て余していた。      
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