暗転、そして急転

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        先程まで龍野を諭していた冷静な思考は、すでに彼方へと吹き飛んでいた。       残ったのは、末のない怒りと強烈な嫉妬心。       小さく舌を打つ。隣を通っていく主婦らしき女性が驚いて振り返った。       とにかく頭を冷やさなければならない。      そう思いながらふと目線を右に向けると、道の突き当たりに小さな店を見つけた。       小さな店、というとどことなく愛らしさを感じさせるが、実際愛らしいのはサイズだけで店の外装からまったくそのようなものは感じ取れなかった。       まず店の前に飾ってある骸骨が強烈だった。それにわざとなのかどうなのか、その店だけ少し灯りが暗いのが遠目からでも分かる。         まるで、一切客引きをする気がないような店だった。      
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