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龍野はしばらく迷った末、体を右に向け店に向かって歩いた。
普段の龍野なら、異質な外見の店を気には止めても、中に入ろうとはしなかっただろう。
だが今の龍野は落ち着く場所を求めていた。
そこがどんなにおかしかろうが不気味だろうが、人に飲まれてさまようよりは何倍も良かったのだ。
店の入り口にはもう使い道の無さそうな木板が立てかけられていた。そしてそこにはFakeの文字が筆で書き付けられている。
店の名前だろうとぼんやり思いながら龍野は店に入った。
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