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「愛の共同制作だね」
わざとらしくにこにこしながら、彼女がぱちぱち拍手する。
「作ったの、ほぼ俺じゃねーか」
「そうかもしれないけど、愛を調味料にたっぷりそそいだのは私だよ」
「…なんか、腹壊しそうだな」
「失敬な!」
ぷくっとふくれる彼女の頭を、俺は笑いながらぽんぽんとたたいた。
「ウソウソ、冗談だよ」
彼女をなすびのことで罵っているうちに、気がつけば頭の≪声≫は消えていた。
天然でネジが跳んでて、計算高くない彼女を見ていると、なんでこいつの頭をかち割ろうと思ったのかわからなくなった。
きっと、ここんとこ忙しかったから、ストレスが溜まっていたんだと思う。
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