神の声

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まるで頭の中には自分と同じ声の別の誰かがいて、そいつが客をクソミソにけなしているような気さえした。 こんなこと、バイト仲間にも店長にも相談できやしない。 客にたいして頭の中で暴言を吐いてしまって悩んでます、なんて言った日にゃあ、人格疑われてハイ終わり。 俺はあらかた客が引いたのを確認すると、品出しを再開した。 昔は楽しかった接客も、今は苦痛で苦痛でしかたない。 ≪ここならカメラから死角だな。小さい商品なら盗ってもバレやしないだろーよ≫ そんなこと、できやしない。 ふいにひびいた頭の声に、俺はため息をつくと手早く仕事をすませた。  
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