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次のシフトの人が来るまで、俺はまんじりとせず同僚としゃべったり、小まめに掃除して気をまぎらわせる。
それでも店員である以上、レジにいなくても客に声をかけられるわけで、そのたびに頭の≪声≫が客に暴言を吐き散らした。
「そろそろ上がろうか」
同僚に声をかけられて我に返る。
≪やっと帰れるのか。お前の顔見ずにすむと思うとせいせいするよ≫
同僚の顔を見たとたん、≪声≫がひびく。
やれやれ。それはこっちのセリフだよ。
≪声≫にそう返すと、思いがけないことが起きた。
≪なんだよ、お前の気持ちを代弁してやっただけなのに≫
え? 俺の気持ち??
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