神の声

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彼女は俺の体をくるりと反転させると、背中を押しながら中に入った。 「どーせ朝ご飯もまだなんでしょう?」 「ああ…うん」 三連休で家に閉じこもれば、しばらくは人と会わずにすむから、頭の声を聞かずにすむと思ったのに……。 彼女のおかげで台なしだ。 ≪まったくだよ、このクソ女め≫ 冷蔵庫をのぞき込む彼女のベリーショートの後頭部を見ていると、俺は金属バットでかち割りたい衝動に駆られた。 少なくとも彼女が口を閉ざせば、俺の頭の≪声≫も静かになるから。 けど、実際にそんなこと、できるわけがない。 ≪いいじゃん、やっちゃいなよ。証拠さえ残さなきゃ大丈夫だろ≫ なに言ってんだろ、俺(笑) まいっちゃうよ。  
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