神の声

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目を閉じると彼女の頭をかち割るイメージが浮かぶ。 彼女に気配を悟られないようにそっと近付き…そして金属バットを振り下ろす。 飛び散る血飛沫と脳しょう、いびつに裂ける後頭部。 俺はそれをバケツと雑巾でせっせと片付ける。 うん、イメージトレーニングは完璧。 俺は目を開くと台所に移動した彼女と、玄関に置いてある金属バットを交互に見た。 そしてゆっくりと立ち上がる。 彼女に近付くと、彼女の肩ごしにコンロをのぞき込んだ。 「へぇ、お前、ミソ汁作れるんだ」 「こんなの簡単じゃん」 「わっ、ちょっ、まてまてまてまて! ミソ汁になすび丸ごと入れるやつがあるかッ?」  
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