何気ない朝なのに

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    【アァ・・・・ヤット・・・・・】     【ヤット我ガ蘇エレル・・・待チ望ンダ世界ガ・・・・】     たまらず彼は飛び起きる。     しかも、ベッドから派手な音を立てて、背中から落ちたのだ。     間違いなくクリティカルヒットだろう。     その衝撃で彼は少し息が詰まった。     嫌でもその衝撃で彼のスターターな脳みそが起こされてしまう。     しわくちゃになった肺に彼はゆっくりと酸素を取り入れてゆく。     二度寝を諦め、彼はゆっくりと立ち上がる。     本人は覚えていないが、ただ自分の感覚だけがそう伝えてくる。     誰かが久しぶりに目覚める。     それは嬉しそうに狂気と歓喜を振りまき、喜ぶ声が不気味に彼の頭にこびりつく。     「最悪だ・・、 しかも痛い」     彼は不機嫌に呟いた。     イヤな夢を見たあげく、寝汗でベタベタなのだから不機嫌なのは仕方がない。    
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