302人が本棚に入れています
本棚に追加
狹天の鐘は俺たちのいく島にある名所らしい。
なんでも複雑な道を通らなければならないので、しおりには載っていないのだが、千種兄たちは行ったらしい。
『鳴らせ鳴らせ鐘の音
一度ならせばイキビトに
二度ならせばシビトに
三度ならせばカミサマに』
「とかなんとか売店のおばあちゃんに教えてもらって」
「そうそう、悠の我が儘で行ったな」
「うるさい」
律は瞳を輝かせ
隼人は少し難しい顔をした。
なにかと思い俺は隼人に声をかけようとした、が。
キーンコーン…
チャイムが邪魔をした。
千種兄たちと別れ、教室についた途端隼人が呟いた。
「狹天の鐘に行くぞ。」
俺と律は驚いて一瞬固まってしまい、先生に注意された。
隼人は平然と席についていた。
最初のコメントを投稿しよう!